つねきについて知る現状認識と基本的な考え

虚構からの脱却 地球規模のパラダイムシフトの時代

集団という生き残り戦略

  大西つねきは今、地球規模のパラダイムシフト(価値観の転換)が起きつつあると考えています。20世紀までは集団の時代でした。すなわち、人間は集団を組んで強くなるという生き残り戦略を取ってきたのです。そして、集団同士で争い、場合によっては国という単位で殺し合いまでやっていたのです。今も企業や国家の争いは絶えません。競争と言えば聞こえは良いですが、エゴのぶつかり合いです。自分たちの利益のために他者を犠牲にすることがどこまで許容されるのでしょうか?今や他の集団ばかりか、集団に属する個人も犠牲になっているように見えます。例えば、集団の正義のために他国の人を殺す兵士は幸せなのでしょうか?株主の言うことを聞き、やりたくない仕事をする労働者は幸福なのでしょうか?

20世紀まではよかった

 20世紀までは、集団の論理に従うことによって、個人もある程度幸せになれたのでしょう。その時代は他国のことはお互いによく知らず、恐れたり憎んだりして戦っていたわけですから、集団で身を守ることが個人の幸せに不可欠と思われていたとしても不思議ではありません。また、モノも不足していましたから、資本主義のような仕組みも、物質的豊かさのためには適していたのでしょう。労働者が従順に資本家の言うことを聞いて働けば、効率的に多くのモノが作れましたし、資本家が上がった利益を再投資して、さらに多くのモノを作れば、その恩恵を人々も受けられていた。だから集団のために個人がある程度抑制されても、差し引きプラスが勝っていたかもしれません。しかし今はどうでしょう?モノは充足し、たくさん作ってもそんなに売れなくなっています。売れなければ企業も利益を再投資しませんから、労働者(=消費者)から利益を吸い上げるだけとなり、ごく一部の資本家だけが豊かになり続けます。もはや多くの人たちは駒として使わるだけです。国家ですら今や、人々を幸せにしていると言えるでしょうか?

虚構からの脱却の時代

 21世紀はもはや、人間の本質的な欲求、すなわち自由に生きたいという思いを集団が押さえつけることはできなくなるでしょう。何故なら、本来個人個人のためにあるはずのものだった集団が、逆に個人を犠牲にしていることに多くの人が気づき始めたからです。集団化の時代から、個人の開放の時代へ。と同時に、虚構の時代から本質の時代へ。組織はそもそも虚構です。人間は元来一人ひとりであって、組織も所属も頭の中の産物です。人間は虚構を信じる力によって発展してきましたが、それも個人の幸せに寄与する限りにおいてで、そうでなければ縛られる意味はありません。虚構が虚構に過ぎないことを再認識すれば、そこから脱却するのは時間の問題です。組織以外にも、あらゆる決め事や常識も全て虚構であり、不要になればそれも捨て、本質だけが残る時代になるでしょう。虚構ではなく、本当に存在する何か、本質的に人を幸せにする何かを大事にする時代に。

お金という人類最大の虚構

 我々が今、最も捨て去るべき大きな虚構は「お金」です。もちろんすぐに捨てることはできませんが、少なくともそれがただの概念に過ぎないことを認識すれば、それに縛られることのバカバカしさがわかります。特に現代のお金が、借金で発行されていることを知れば、借金を全て返すとお金が消えるわけですから、完全に無から作り出されている権利と債務でしかないことがわかります。履行しなければないのと同じですし、全て同時に履行すると無に帰すゼロサムゲームです(図1の天秤の左側は差し引きゼロ)。ゼロサムゲームですから、みんなで平等に分けると全員がゼロになり、お金すら存在できません。だから世界中が、常にお金を奪い合い、借金を押し付け合う熾烈な競争になるのです。また、金利という仕組みによって、お金も借金も増え続けます。個々の借金は返せるかもしれませんが、全体としての借金は増え続けないと、それと表裏一体のお金が金利で増え続ける限り、この仕組みは持続しないのです。

《 図1 》

格差を拡大し続ける仕組み

 この馬鹿げた仕組みの弊害は大きく分けて二つ。一つはそれは格差を拡大し続けるということです。金利を誰が受け取るかというと、元々お金を持っている人か、銀行のように無からお金を作る人たちです。当然、一部の人たちがそれを受け取ることになり、格差は拡大し続けます。例えば、今日本の政府の借金で発生している利息は年間約9兆円、この30年間で300兆円以上発生していて、それは基本的に投資家が受け取り、日本国民が税金で負担します。その他に、全てのお金が借金で発行され、その全てに利息がつくので、住宅ローンや一般企業に対する融資にも利息はつき、それらは全て企業の価格の中に織り込まれ、消費者が払い、元々お金を持っている人か、銀行のように無からお金を作る人たちが受け取ります。つまり、今の金融システムで経済を回しているだけで、自動的に格差は拡大するということです。

不自然な仕組みは続かない

 もう一つ、今の金融システムの大きな問題は、それがあまりにも不自然だということです。お金はただの引換券に過ぎず、それで交換できる実体価値の方が主です。そちらの方が時間と共に壊れてリ腐ったりして減価するのに、お金だけが金利で増え続ければバランスが取れなくなります(図1)。お金に合わせようとすると、無限の経済成長が必要となります。今だに世界中の政治家が経済成長を叫んでいるのは、それがないと立ち行かない金融システムが原因ですが、当然そんなことを続ければ、資源は枯渇し、環境は破壊され、子どもたちの未来は壊れていきます。ようやく最近になってSDGs(Sustainable Development Goals)などと言い出していますが、Developmentとは成長です。しかし、永遠に持続する成長などないのです。本当にSDGsの理念を実現するなら、今の金融システムを止めて、誰の借金でもないお金を発行し、実体価値の量に合わせて機動的に増減する仕組みに変えるしかありません。世界中で行われている、そんな大きな仕組みが変わることは想像しにくいかもしれませんが、お金など所詮虚構です。本当に大事なのは、実際に存在する実体価値であるという本質に立ち返れば、頭の中を変える方が簡単だとわかるでしょう。